2014年1月15日水曜日

日本の役割は”テーパリング”

”テーパリング”とは、金融政策において、量的金融緩和の縮小のことをいうらしいのですが、これに関連して、オーストラリアやニュージーランドで展開する銀行グループ「ANZ」CEOが、次のようなことを述べていました。

米国主導のテーパリングの影響は、日本から流動性に対して継続的なアクセスがあり、アジア太平洋地域では緩和できた。 
緩和は過剰流動性を形成し、円高調整により、産業界を刺激してきた。「私の人生の中で、このような方法は見たことがない」。

詳しいインタビューは下記にてご覧になれます。

ANZ Michael Smith: Japan’s Role in “Tapering”


この件については、このようなことに詳しい方のコメントがいただきたいです。

2013年11月1日金曜日

世界の金融の中心地ロンドンのシティに、中国マネーのオフショアセンター開設か

10月18日付のWeek in Chinaで「Palatial investments」という記事がありました。イギリスのオズボーン財務省の発言に注目です。


北京の国立博物館は、外国の首脳から中国政府が長年にわたって受け取った贈り物の新しい展示を発表しました。

それは毛沢東に与えられたプレゼントに遡るだけでなく、より最近社長習近平に与えられたものを含め、魅力的な集合体です。

高価で、最も精巧なギフトは、アフリカ独裁者や北朝鮮の金一族から届いています。
が、驚くのは、イギリスからの贈り物です。中でもマーガレット·サッチャーから贈られた、鄧小平に与えられた銀のタバコ入れは機能的で、ダウニング街10番地(英国首相公邸の住所)を模したインク壺は、トニー・ブレアのように風変りです。

しかし、私たちの目を引いた贈り物は、現首相、デビッドキャメロンからのものです。
浮彫の水差しは、まったく創造的でなく、少なくとも高価に見える程度です。
実際、北京とロンドンは緊張関係にありました。見栄えのしない水差しは、両国の外交的不和の象徴しています。

過去2年間の中国と英国政府の間の冷ややかな関係は、より有望なターンを切っているようです。
水差しの代わりに、中国の支持を獲得するためにもっと努力し、実際的な贈り物をするというサインが、ロンドンで先週ありました。

中国人のビザを大幅に緩和し、イギリスへの旅行者やビジネスピープルを奨励されます。英国観光幹部によると、以前のビザ制度では、「犯罪者のように扱われた」と中国人は大いに憤慨していたのです。

この発表の前日に、英財務大臣ジョージ・オズボーンが中国にやってきました。

Financial Timesによると、大蔵大臣は、「中国の銀行のためにレッドカーペットを用意する」と説明した、大胆な新しい指標を発表しました。新たに発表された政策は、 「グローバルな人民元ハブとしてのロンドンの地位を強化するため、規制障壁を打破するというものです。
それは、中国最大の銀行が支店を通じて、あらゆる操作を実行できるようにすることを約束するというものです。
ICBCや中国銀行のような大銀行は、北京に居ながらにして膨大なリソースにアクセスすること許可するということです。

現在、これらの銀行は、資本クッションや流動性バッファーのような分野での厳しい規制の対象であり、子会社がロンドンにおける業務を運営しています。
英国の金融業者は、長い間、ロンドンが中国の通貨のためのオフショアセンターになるという野望をひた隠しにしてきました。
どうやらオズボーン財務省は、これを彼個人のミッションとして漸減し、イギリスの首都がこの役割を逃さないようにしたようです。

大蔵大臣は北京で「中国のような大国は国際通貨を持つべきだ」と発言しました。そしてロンドンでは、外国為替取引のグローバルリーダーとして、中国以外での元の利用を活性化するための論理的な場であると発言しました。
オズボーン財務大臣は、彼の新しいイニシアチブが、中国の大銀行のドアを開けると信じており、中国の投資やビジネスを誘致するためにイギリスが準備している証拠であると、中国の銀行に見られるだろうと考えています。

オズボーン財務省は、北京大学でのスピーチで、「西洋人の中には、中国の成長を見て恐れをなしている人がいます。彼らは世界をケーキのように見ていて、大きなピースを中国がとり、小さなピースを西洋が受け取ると考えています。私は、このような悲観的な見方を拒絶します。我々がケーキを大きくすれば、西洋も恩恵を受けるのです。私は、イギリスは中国の成功に憤慨してほしくないと思っています。私は、中国の成功を祝ってほしいと思っているのです。私は、中国の経済成長に抵抗したくないし、イギリスがそれを共有したいと思います」。

オズボーン財務省は、2015年までに、イギリスと中国の貿易を2倍の1000億ドルにまで拡大したいと発言しました。そのために、2,3の主要な取引相手が彼の中国訪問に同行したのです。
1つは、英国企業や北京建設エンジニアリンググループとの間のパートナーシップで、マンチェスター空港の近くに、800万ポンド、160エーカーの開発を予定しています。さらに重要なもう一つは、フランスのEDFと中国原子力発電グループとが、イギリス国内に1995年以来建設しているあたら数原子力発電所でしょう。

オズボーン財務省に、資本投資を誘致したいボリス・ジョンソン ロンドン市長もまた、同行したのでした。中国人投資家が30億ポンドをロンドンの不動産開発(ロイヤルアルバートドックとナインエルムスの再開発)のために、ポンと出してくれることを応援する何かを彼は持っていました。

最も最近の、ロンドン不動産への中国の進出は、やや物議をかもしました。
上海Zhongrongグループが、8億ドルをかけてクリスタルパレスを再建したいというニュースが、先週届いたからです。億万長者のオーナー、Ni Zhaoxingの野望は、1930年代に焼失したビクトリア朝の鋳鉄とガラスの傑作を復活することであると宣言しました。
ジョンソン市長は、この話を聞いて「"南ロンドンは再び世界クラスの文化の魅力を獲得するだろう」と、大変興奮したと伝わっています。


以下、Ni Zhaoxingと彼のグループの話となりますので、省略します。
詳しくお読みになりたい方は、「Palatial investments」をご覧ください。







2013年9月2日月曜日

薄熙来は権力闘争の敗者、殉教者または犠牲者か?

8月2日付で、「Trying times for Bo」という記事がありましたので、簡約にて紹介したいと思います。
Boとは、今話題の、薄熙来のことです。



1966年7月27日は、中国共産党のための重要な一日でした。しかし、その日の重要性に気付いた人はほとんどいませんでした。

ハーバードの歴史家、 Roderick MacFarquhar は、その朝、劉少奇は、共産党出版物に肯定的な意見を出しただろうと指摘します。

劉の発表は、非常に悪い内容でした。

当時、劉少奇は、中国の首相であり、共産党のナンバー2でした。さらに重要なことには、彼は5年前に、毛沢東の後継者と目されていたことでしょう。劉少奇は、政権の中枢にあり、それは自然な選択でした。劉少奇と毛沢東は、1921年に結成された共産党に、ともに参加し、ともに長征に苦しみ、内戦で蒋介石を倒し、1949年に革命をもたらしたのです。
長征(ちょうせい)は、国民党軍に敗れた紅軍(中国共産党)が、中華ソビエト共和国の中心地であった江西省瑞金を放棄し、1934年から1936年にかけて国民党軍と交戦しながら、1万2500kmを徒歩で続けた移動をいう[1]。「西遷」(せいせん)、「大西遷」ともいう。(Wikipediaより
しかし、より最近になって彼らの関係は緊張していました。
劉少奇は、大躍進によってもたらされた死と破壊を見て、毛沢東とともに落ちていったのです。
大躍進政策(だいやくしんせいさく、繁体字:大躍進、簡体字:大跃进、拼音: dàyuèjìn 、英: Great Leap Forward、1958年 - 1960年)は、中華人民共和国が施行した農業・工業の大増産政策である。毛沢東は数年間で経済的にアメリカ合衆国・イギリスを追い越すことを夢見て実施した。結果は推計2000万人から5000万人[1]の餓死者を出す大失敗に終わり、毛沢東は国家主席の座を追われた。(Wikipediaより
劉少奇は、中国経済を正常に戻そうとしました。毛沢東は、その地位を取り戻そうと、文化大革命を準備していましたが、それは劉少奇の最後、没落を意味していました。

7月28日以降、毛沢東の陰謀は、徐々に敵対的になっていきました。1966年8月の党内のムードは不吉なものでした。劉少奇の活動報告書は、毛沢東の怒りによって中断されました。その直後、劉少奇にたいする、林彪将軍の悪質な非難が現れます(毛沢東の意志によるものと言われています)。林彪は、劉少奇に対する23の告発をたやすくやってのけました。その中のいくつかは、日付をごまかして、1940年代の「日和見的行い」としました。

劉少奇は、降格され、「共産党最大の資本主義者」とレッテルを張られたのです。
1年後、劉は逮捕され、1968年に正式に追放される前には、すべての共産党の記事から、劉少奇に関する事柄が削除されました。

第九回党大会翌年、彼はさらに、 「裏切り者、帝国主義者、現代修正主義者、敵のエージェント」などと非難されました。
紅軍による虐待と、糖尿病や肺炎の薬がもらえないため、劉少奇はその後死亡しました。

中国の大衆にとって、予期しない、壮大な秋でした。
プロパガンダによって、建国の父が、今では悪役になっていました。一般の中国人は混乱しましたが、党の幹部には、何が起こったかは明らかでした。
純粋に、法的な意味で、劉に対する訴訟は存在しませんでした。
劉少奇への粛清は、毛沢東が1960年代初頭に、その権力が弱体化したこと、そしてその権力闘争の必然的な結果でした。

政治はもちろん、残忍なことができますが、一党独裁状態において、成功と失敗は、しばしば明白です。権力闘争に負けるとは、田舎に引きこもり、回顧録を書くという意味ではありません。それはしばしば忘却を意味しています。

必然的に、劉少奇の失脚と、最近の薄熙来の追放とが比較されます。
7月25日、薄熙来は、正式に、公的資金横領と権力の乱用、収賄("非常に大きな額")で起訴されました。
近年の、汚職役人の投獄のなかに、このようなケースは、ほとんどありません。
この事例が重要である点は、薄熙来の父親が、1925年に共産党に入党した「八仙」の一人であり、党の中枢にいた人物の息子であるという、その地位の高さにあります。

薄熙来を忘却のかなたに追いやることは、劉少奇以来の、もっとも敏感な共産党の粛清になります。
確かに、薄熙来が警察に拘束されるまで、多くのひとは、「赤い皇族」という彼のバックグラウンドからみて、彼が転げ落ちることは考えられませんでした。


薄熙来は死刑にできるのか?

これが見方の中心です。
その答えは、彼の妻と、彼の相談役だった王力鈞への判決が参考になるでしょう。彼ら二人は、死刑判決ではありませんでした。

約1年前、薄熙来の妻、谷開来は、イギリス人ビジネスマンのニール・ヘイウッドし殺害の容疑で有罪となりました。彼女は、猶予付き死刑執行を言い渡され、現在は不祥事を起こした党幹部を換金する特殊な刑務所に入れられています。

9月には、王力鈞も刑を言い渡されましたが、逃亡・収賄・法律を利己的目的で曲げたことにより、15年の懲役刑となりました。
前の重慶警察署長も、彼の犯罪について、死刑を言い渡されましたが、彼の元上司に対して有罪を示す証拠を提供することで、より寛大な判決になりました。

薄熙来自身の判決は大きく間近に迫っています。


薄熙来はどのように粛清されたのですか?

劉少奇と同じように、薄熙来の転落は、高度に洗練された事件として証明されています。
昨年の全国人民代表大会で、彼は最後の公的存在を作り出していました。それにともないさまざまな憶測が飛び交い、王が成都の米国領事館に逃げ込んだ後、常任理事会入りの彼のチャンスはなくなりました。
王力鈞はその後逮捕され、薄熙来の行動を調べるために、北京に連行されました。

これら一連の出来事は、アナリストに、冷遇のサインと見られています。
たとえば、薄熙来は、政治局のテレビ会議に参加していない、25人中唯一のメンバーであったと指摘されています。これは、薄熙来にとって悪い前兆でした。
首相時代に、温家宝が「文化大革命の誤り」とした、毛沢東主義キャンペーンの「赤い歌を歌う」を薄熙来が掘り返していたからです。

その後まもなく、薄熙来は、重慶市の党書記のポストから外され、4月9日、組織部門と中央懲戒委員会の両方から自宅を訪問され、汚職容疑で監禁されました。
彼のキャリアの最後は、人民日報によって確認されました。
「薄熙来の行為は、党の規則に違反し、ひどく党と国のイメージを傷つけた。法律上、特権を与えられている市民は存在せず、党は法的な特権を持つ者を許していない。」

中国語では、それが政治的忘却として読まれるのです。

過去15か月間、薄熙来は拘留されています。彼の裁判は、3つの理由で遅れているのです。
行き詰まりの明白な根拠は、政治的なカレンダーそのものです。

この間、中国の指導体制が、習近平に11月に代わり、3月には李克強が首相に就任するという、2つの移行期間がありました。

薄熙来の裁判は政治的な爆発物であり、新しいリーダーたちが、自らの権力基盤が堅固になるまで遅延させたとされます。

第2の理由は薄熙来自身によるものです。
薄熙来は、ハンガーストライキを行っていると噂され、協力的ではないといわれています。
長期間の拘留は、法廷で、薄熙来をすり減らし、より深い悔恨を与える戦略かもしれません。

第3の理由は、彼の判決が、党内の派閥争いを引き起こすかもしれない、というものです。

理論的には、死刑判決の可能性は残されています。
薄熙来の敵にとって、刑務所に収監されるより、確実な復讐といえるでしょう。
それでも、それは残忍で、裏目に出る可能性もあります。
死刑判決によって、怒るグループが党内部にはいるからです。彼らと薄熙来の関係は、家族と血統の意識によっています。
このような環境による、もっとも妥当な結果は、終身刑です。薄熙来は、政治的脅威を失った高齢になれば解放されることもあるでしょう。


なぜ薄熙来には議論の余地があるのか?

彼の支持者は、彼のカリスマ性と大衆性を指摘します。市長として、彼が実行したことは、大きな影響を与えました。最近では、薄熙来は、世界地図上に重慶を置き、急速な経済発展を推進していました。
彼の政策のいくつかは、国内で人気を証明しました。特に、不平等問題の是正のように見える政策は。
重慶は暗黒街のボスをなくし、薄熙来は賞賛を浴び、彼は全国的な有名人になったのです。

その一方で、薄熙来の敵は、彼を危険で病的な自己中心的な人物といいます。彼らは、徐明との汚職取引を指摘し、薄熙来が、文革時代とその騒乱の暗い記憶に戻す、左翼プロパガンダを勇気づけたことを強調します。
市場改革派は、薄熙来が好む、国家主導の資本主義に意義を唱えました。そして、毛沢東時代の3人組の見せしめ裁判と薄熙来への弾圧を比較しても、薄熙来が法律を馬鹿にして軽視していることを弁護士は嫌っていました。

薄熙来の根本的な問題は、彼が中国をリードするように運命づけられていたと彼が信じていることでした。彼の失脚の種は、2002年に開催された、第16回全人代において、薄熙来と習近平が政治局のトップの座を争ったときにさかのぼることができます。習近平が勝利し、2007年には常任委員会に昇格しました。一方、薄熙来は、重慶を指導するために中央から退場したのです。

しかし、もし薄熙来のキャリアを見ようとしていたなら、それは機能していませんでした。薄熙来は、敗北を認めることを拒否し、自らのキャリアアップのために、自らの地位を利用しました。彼は、再度常任委員会への昇格を要求し、ライバル習近平のようになるかのように見えました。

王力鈞の証言から、薄熙来は、南西部の軍司令官に、彼がクーデターを計画していたという乱暴な推測を引き起こすようなことを話していた、といううわさも浮上してきています。

薄熙来の権力闘争は報われませんでした。
習近平の勝利が不動のものとなれば、何年もの孤独な思索の時が待ち受けているかもしれません。元指導者の江沢民は、習近平に彼のサポートを送りました。江沢民は、キッシンジャーとの会談で、「中国のように大きな国では、強くて能力の高いリーダーが求められます。習近平は大変優秀で、才能のある国家指導者です」と。
この発言は、習近平が正しい選択であり、共産党の習近平体制を最終的に確認したことを示唆しています。


告発への反応

香港のサウスチャイナ·モーニング·ポストは、「国家最大のスキャンダル」として、薄熙来が、わいろとして2000万元を受け取ったことで告発されたと書いています。犯罪事件簿ではまた、莫大な金額が記載されていますが、それらは中国の汚職では、まだマイナーなようです。
それにもかかわらず、北京を代表する弁護士は、告発の見通しは暗い、と語っています。「申し立てを見ると、薄熙来は執行猶予付き死刑判決、または終身刑に直面しているようです。法的には、巨額の賄賂は死刑とすることがきますが」。弁護士は「このような政治的なケースでは法律ではなく、当局によって支配されています」と付け加えました。

ウォールストリート·ジャーナルの中国語版のレポートのときは、検閲官はすぐにコメントを削除しました。
同時に、政府のゾンビアカウントは、「薄熙来の起訴は、党による腐敗防止努力の証拠である」かのような、論を持ち出し、明らかにこれに似た感情のメッセージを探しだしていました。
これにもかかわらず、米国の新聞は、薄熙来が犯罪者か殉教者か、犠牲者であるかを熟考している、無修正の議論の多くが広まる前に削除された、と記述しました。

よく知られた法学者、徐新は、weiboにおいて、薄熙来事件は、中国の法体系の勝利ではなく、党によって評決はほぼ決まっている、と書きました。
法の支配(またはその欠如)もweibo上の共通の話題でした。
たとえばあるブロガーは、構成で公平な法律と手続きの正当性なくして、中国に、本当の安定と調和は存在しない、と意見を述べています。
もう一人は、薄熙来の非公開裁判と、公開された英国王チャールズ1世とを比較して、薄熙来の裁判はテレビ放映されないだろうし、一見、疑惑の犯罪が行われた場所とは関係を持たない選択された場所、山東で開催されるのだと書いていました。

中国の政治は、広くネット上で議論されいます。
「彼は権力闘争の敗者です、汚職で解雇された役人は一人もいない」と投稿されていたりします。

カリスマ、薄熙来は、党の結束の前に個人的な野心を置いたのです。それが彼を危険にさらし、最終的には彼の破滅を証明することになるでしょう。





2013年5月17日金曜日

中国人が金相場下落に乗じてゴールドを買占め

金が暴落して、中国ではショーケースが空っぽになるほど、金が売れているのだそうです。

Week in China に「Golden chance」という記事がありましたので、簡約します。


今年はじめ、福建の大物、Wu Duanbiaoは、娘の盛大な結婚式を開いたとき、世間の注目を浴びました。
が、本当のところ、気前の良い持参金が世間の注目を集めました。夫婦は、娘を溺愛する両親から、4つの大きな箱に入った、約1億5000万ドルのゴールドジュエリーを受け取ったのです。

しかし、Wu は、2,3週間結婚式が遅れていたら、と願っているかもしれません。なぜなら、彼はもっと安く、金を買うチャンスがあったかもしれないからです。

金は、長い中国の文化の中で、結婚式の贈り物として、一般的な選択肢となっています。
金相場が、2年半前の水準まで下がったことから、熱心な何百万もの両親が、宝石店に殺到している理由が、これで説明できます。

合計20キロ、600万元相当の金が、わずか2時間以内に売り切れました。

香港でも、宝石店の売上が急上昇しました。
世界最大のジュエリーチェーンの周大福では、来客がうなぎ上りに増えていました。
中国人バイヤーは、中国では金以外の金属が混入していることを心配するため、香港で金を買うことを好みます。

通常、中国のゴールド&シルバー為替協会の商いは、約10億ドルだが、4月19日には128億ドルに達し、22日には、途方もないことに、200億ドルまで上昇しました。1トンもの金の延べ棒が売り切れたのです。
バイヤーは、株式よりも安定した投資として、金を見ています。

しかし、ゴールドジュエリーの原価は、1グラムあたり約350元、金塊の場合は295元なので、投資という観点からは、注意が必要だと指摘されています。

一方、中国やインドからの金の需要は、1週間にわたって記録的な売上になりました。

物理的な金の需要を考慮すると、金相場が急落する可能性は少ないでしょう。
しかし、もし金相場が下がり続けている場合、旺盛な中国人の自家需要でも、中国の金鉱山セクターの価格をあげられそうもありません。

金価格の劇的な変化は、企業の在庫に巨大な圧力を与えていることは否定できません。
在庫を安く販売する現時点では全くストレスはありませんが、金価格への下方圧力がたくさんあるります。これは、金鉱山会社が、実質的に彼らの在庫を値引きせざるを得ないことを意味します。

しかし、紫金鉱業は、生産を下げるつもりはないと言います。紫金の貸借対照表はまた、価格の下方圧力に耐えられると、同社のスポークスマンは言います。
「当社は、生産を削減するのではなく、コストを削減する方法を見つける必要があります。」
実際には、価格の下落は紫金鉱業に買いの機会を提示しているかもしれません。

国有の山東ゴールドが、資金繰りが苦しい鉱山を買収するすることにやや興味を示しています。
大手2社が、西オーストラリアの3つの金鉱山の晩秋を検討しているとも報じられています。


マネーロンダリングとマカオのカジノ、そして中国人VIP

Week in China にマカオのカジノに関する記事「The house is still winning」がありました。

習 近平体制になって、マカオのカジノも、マネーロンダリングの温床になっているとして摘発間近か、という記事が出ていたのですが・・・。
以下、簡略です。


古い中国の諺に「博打と泥棒は隣人」という警句があります。
しかし、Yang Kun の場合は、博打と銀行が、非常に密接な関係にあることを疑わせるものです。

Yangは、中国農業銀行の、元副社長。彼は、不適切な融資をしていたという疑惑で、昨年4月に拘留されました。融資額は3億元で、マカオのカジノでの債務返済のために使われたと思われています。

銀行幹部の多くは、2006年の中国建設銀行社長のZhang Enzhaoの逮捕時に、同時に逮捕されています。
が、Yangは、習近平の汚職撲滅キャンペーンの最大の獲物の一人です。
マカオのカジノが知りたいのは、Yangの事件が、Yangだけのものなのか、それともVIPをターゲットにした逮捕劇の始まりなのか、なのです。

習近平のキャンペーン以来、マカオのギャンブルは鈍化しているのか?

マカオのカジノは、米ネバダ州の昨年の売上高を、今年4月末までで超えてしまっています。
第1四半期において、売上高は、前年同期比14.8%上昇しました。
昨年の賭博収入は380億ドルに達し、ラスベガスの6倍以上の規模に成長しています。

4月の売上高は、確かに対前月比でわずかに減少しましたが、3月の売上高が39.2億ドルという、記録を更新するほどの金額に達したためです。

ほとんどのアナリストが、2013年の売上高は対前年比15%を予測しています。
ホテルの稼働率は95%平均で推移し、テーブルでの平均最低掛け金は600香港ドルに達しており、1年で倍増しています。

だからVIPの取り締まりが行われていないの?

薄熙来とその仲間によってマネーロンダリングが行われており、マカオのジャンケットの複数のボスを含む、薄熙来とその周辺が逮捕されるのではないか、という疑惑が報じられて以来、VIP取締りの噂が出回っています。
この疑惑は、Yangに対する訴追にもリンクされるかも知れません。

しかし、12か月前、習近平新体制の発表前から、投資家のムードはマカオのカジノに対して慎重なものに変化していました。

その後、昨年11月に、習近平が、廃棄物や公害対策、官僚の汚職撲滅などに注力すると発表しましたが、マカオは、具体的には言及されませんでした。しかし匿名の情報源からの2月の情報によると、実はマカオの取り締まりも言及される予定だったようです。
このニュースは、マカオのカジノ株を即時下落させました。

ターゲットVIPは誰なのか?

HSBCによると、最大で30万人が、マカオのVIPギャンブラーということです。彼らは、マカオに行くたびに、1万ドルから2000万ドルを費やしており、今年の売上高の65%が彼らの貢献によるものです。

昨年マカオにやってきた2800万人のうち、少ない割合であるにもかかわらず、昨年VIPギャンブラーは、260億ドル以上をつぎ込んでいるのです。
そして、VIPのほとんどが中国からやってきているのです。

ギャンブラーは、マカオのジャンケットの保証で掛け金を借り、中国に戻ってから6週間以内、エージェントに返済するという仕組みです。

中国人は、出国時に2万元しか持ち出せず、外貨に換えることができるのは毎年5万ドルまで、と規制されているため、この種の財政支援が不可欠なのです。

北京政府はマカオでギャンブルしにくくしたいのか

中国当局は、これらのギャンブラーの多くは不正に得た現金で遊んでいることを痛感しています。
しかし、マカオは独自の法律だけでなく、自由兌換通貨を持っています。
北京政府は、国境を越えて、深く踏みこむことに消極的なのです。

Jorge Godinho、マカオ大学教授がAmerican Lawyer magazineに語ったところによると、「あなたがネバダ州でカジノを経営し、ほとんどの客がカリフォルニア州からやってきていると想像してみてください。そして、そこに国境があり、自由に移動できない人々と、自由に移動できないお金があるものと想像してみてください。あなたは、合法的にカリフォルニアで借金を集めることができないのです。これは、非常に奇妙な法的状況なのです。」

「中国政府が浪費されている資産に、これ以上関心を持たれるのは心配です」とカジノ経営者は語ります。「政府にとって、ギャンブルに使われるだけでなく、企業や工場に消費されるお金なのです。」

最近マカオの中国代表となった李康は、中国共産党、中央委員会の規律検査メンバーであり、メンバー間の汚職を根絶するという使命を帯びています。
彼の送致は、中国の資本規制をかわしてマカオに資金を送っている個人の富裕層のマネーロンダリングをターゲットにしているものと考えられます。

ジャンケットエージェントがプレイするギャンブラーにお金を進めるかもしれないのと同じように、こっそり国外でお金を得たい政府関係者やビジネスマンは、国内のエージェントに現金を渡し、それがマカオでのチップにアクセスすることができるのです。
それから、彼らは、一晩か二晩、バカラで遊び、手元のチップは外国通貨で現金化するか、オフショアに資金を転送します。

中国の将来について神経質になっている人々にとって、マカオのカジノは、資本逃避にもっとも便利な装置のひとつなのです。
毎年2020億ドルが、違法にマカオを通して送金されていると言われています。

VIP遊びは減っているのか

実際には、VIPの売上高は、3月までの第1四半期は毎年25%で急上昇しています。

マスマーケット(ここでは普通のギャンブラー)の売上は、第1四半期の約1/3まで上昇してきており、34.4億ドル、32.2%を占めています。2012年は29.1%、2011年は27.3%なので、年々増えています。

VIPギャンブラーは予見可能な将来の売上の大半を寄付しているにも関わらず、マカオの政治的ボスは、より多様なゲーム業界になることを計画しています。
実際、カジノのボスはパーセンテージが下がったとしても気にしないでしょう。
100香港ドルごとに2.85香港ドルが、ジャンケットに手数料として流れます。
マスマーケットの売上は少ないにも関わらず、償却前利益の半分以上が、マスマーケットによるものなのです。

マスマーケットギャンブラーの需要は、経済成長の変動(と政治的なムード)とはさほど関係がありません。
中国人の大半はマカオに行ったことがありません。このことは、巨大な未開発の群衆がまだまだ存在することを示唆しています。

一部のアナリストは、将来的には、VIPの売上は小さくなり、VIPの売上に頼るカジノはなくなるだろうとみています。

とはいえ、はじめから、少なくとも75ドルを賭けるような顧客と比較すれば、マスマーケットはほとんど雑魚のようなものです。
カジノのボスは、「プレミアムマス」ビジネスの成長、すなわち258ドルから390ドルの間で最小の賭けをする顧客、に特に興奮しているように見えます。
これらのプレイヤーは、非公式の融資を必要としており、彼らは、デビットカードやクレジットカードで高価な品物を購入して質入れすることに頼っています。「商品を売ってくれれば、すぐに香港ドルかマカオパタカをキャッシュで渡すよ」と、質屋の店員はブルームバーグに語っています。質屋は10%の手数料を取って、現金に変えるのです。

VIPシェアが低下する意味とは?

問題は、VIPの売上が、いまだにかなり強いという点にあります。

そして、マカオは中国の隣にあり、中国人VIPへのチャネルがかなり以前から確立していて、中国人にしてみれば、マカオでギャンブルできるのは簡単なことである点です。

そして、マカオは、プレイヤーに保証をつけることができ、その保証に関する情報を収集する能力を持っているのです。

マカオ以外には、中国人のVIPを引き付けることはできません。実際、通貨の兌換性において、マカオは、まったく異なる政策となる可能性があります。

国務院は、人民元の完全兌換性の運用計画を発表し、2013年末までに、個人による国外投資のための包括的なチャネルを導入することを約束しました。
もし中国人富裕層が、自らの資産をオフショアに移動できるようになれば、マカオは、重要顧客を失うようになるかもしれません。




2013年4月12日金曜日

北京に世界最大の文化保税倉庫

先日、当社に中国から、新しいビジネス拠点となるかもしれない情報がもたらされました。

北京市の北京天竺総合保税区に位置する国家対外文化貿易基地、がそれで、同基地を運営すいる北京歌華文化発展集団は、欧州の協力企業とともに世界最大規模の文化保税倉庫を建設しました。

芸術品の保管、輸送、取引などで、より専門的なサービスを提供できるようになったことを示すことが目的です。

拠点には3つの機能エリアがあり、その一つである企業集積中心エリアが完成し、すでに利用が開始しています。残りの展示取引センターと倉庫貯蔵物流エリアも近い将来、運用が開始される予定です。

この企業集積エリアに、3か月間、低価格でショールームを持つことができるのです。

詳しい情報は、info@moon-cake.asia までお問い合わせ下さい。


ちなみに、文化保税倉庫、というのは、美術品取引には欠かせないもののようです。
ご興味がある方は、こちらもご覧になってください。

http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=33130690


2013年4月11日木曜日

マカオのカジノが脅威に直面

Week in China にまたまた面白い記事を発見しました。
Dicey times ahead?」という、カジノにまつわる記事です。

以下、簡約です。


金門島と馬祖島は1950年代に国際的な注目を集めました。
中国本土の海岸からほんの数マイル離れたこの2島は、台湾と中国の外交問題の中心地でした。

しかし半世紀たって、馬祖島は、どこかギャンブルのできるところはないかと探している中国富裕層をうけいれようとしています。

米国のゲーム会社ウェイドナーリゾーツは、馬祖島に対して、海峡を隔てたカジノとしての将来を示しています。
ホテルは中国側、福州に建築し、短時間ボートを利用して対岸のカジノに乗り付ける計画です。
されに、既に島民からは、カジノ建設計画の承認は取っています。

まだ計画の早い段階ですが、マカオを揺るがすことは間違いありません。

近年では、マカオは、多くのアジア諸国、マリーナベイサンズを持つシンガポールなど - からの高まる圧力に直面しています。

カジノに進出するアジア各国は、マカオのカジノ収入を吸い上げる場所となっているためです。2012年は、380億ドルが流出していると考えられています。

外国の圧力にもかかわらず、マカオが常にギャンブルが合法であった、中国の一部であることは侮れません。それが、脅威にさらされていないかのように見せているにすぎません。

変化の最初の兆候は、Jestersとして知られているカジノのバーで発生しています。
海南島にあるマングローブツリーリゾートワールドのバーには、現在、 "派手なシャンデリア、巨大なルーレット盤のように見えるように作った天井"の下に、50のゲームテーブルを持っています。

客は、500元のチケットを買うことは許されていますが、お金を賭けることは許されていません。それらのチケットは、ゲームの後に、iPadsやスーツケースなに交換します。

このリゾートホテルは、北京のコングロマリット、アンタイオスの社長 Zhang Baoquan のものですが、中国本土でのギャンブルの合法化について、彼は楽観的な見通しを持っています。

政府は、マングローブリゾートの動向を意識しているというサインでしょうが、このプロジェクトの70%は、中国国家開発銀行が拠出しているのです。

マカオへの脅威は、外部からだけではありません。
習近平の不正行為対策のキャンペーンにも包囲される可能性もあるのです。

そのターゲットは、視察旅行オペレーターです。彼らは、中国の厳しい規制を潜り抜け、個人が中国から持ち出せる金額を増やせるように、信用を供与するビジネスを行っているためです。

なぜなら、視察旅行が、公的資本規制を回避して、マカオを通じてマネーロンダリングを容易にしているという長年の疑惑があるからです。
非公式のお金の流出ルートとして、よく使い込まれているのがマカオであり、汚職撲滅運動の最も明白な場所になっているのです。

ひそかに視察旅行反対運動が起こっている兆しがあります。

昨年末、大金をかける顧客の信用を拡大するビジネスに従事している何十人もがマカオのカジノで拘束されました。
この事件は、不祥事を起こした政治家、薄熙来 との関係があるかもしれないと憶測されているのです。