2013年3月13日水曜日

中国アパレル業界を暴く

香港貿易発展局が発信する記事に「Uncovering China Wear」という、少し挑発的なものがありました。面白そうなので、以下に紹介します。



グローバルな衣料市場の見通しは不揃いで、引き上げ不能のように見えます。キープレーヤーは中国市場であり、ヨーロッパやアメリカ、日本は巻き返しに必死です。

弱い労働市場と政府の租税政策は、この伝統的に強力なセクターにおいて、消費者に大きな制約を与えています。しかし新興市場は助け舟に乗っています。高い生活水準の層が、ショップに一層の品質とスタイルを求めるようになっているためです。

中国は、この業界ではメイン市場と位置付けられています。
先見の明のある香港の衣料メーカーは、何年も前から中国市場に入り、既に足場を固め、評判もとっています。多くの香港ブランドが広く認知され、本土の消費者に受け入れられ、需要増加を構築できています。

香港貿易発展局は、2001年、2002年および2008年本土衣服消費に関する調査を実施しました。
さらに昨年、中国の13都市において、消費者パターンを理解し、香港ブランドの優位性についても調査しています。今年の第一四半期に調査対象とした13都市は南京、上海、杭州、ハルビン、瀋陽、北京、天津、大連、武漢、成都、重慶、広州、西安です。
調査対象都市に、2年以上居住している3250人の消費者に対してインタビューを行い、過去12か月間に購入した衣料について調査しました。

調査結果によると、服を購入する主な理由は、実用的な必要性や季節変化のためだったが、もっと微妙な動機もあありました。多くの消費者が、割引があって購入したり、またはファッショントレンドに追いつくため買い物をしています。

服を買うための選択基準は、まず第一に品質、続いて合理的な価格とトレンディなスタイルとなっています。
一部の都市では、消費者は、特に衣類ブランドのイメージが適切かどうか、それとも上品か、ということを特に考えていました。

全体に、中国の消費者は、よそのどこかで影響力のあるファッションを重視せず、国内のファッショントレンドに特に影響を受けています。調査対象都市の中では、上海、瀋陽、西安は他の都市より、外部のファッショントレンドに影響を受けやすい傾向が見られます。

そして過去12ヶ月間の衣類に対する年間平均支出は、一人当たり2,635元でした。
各都市での支出は、一人当たりの所得に対して概ね比例しています。
今後12ヵ月間の衣類購入の予算は一人当たり3,616元でした。

実際、広州市を除くすべての都市では、消費者が衣服購入のための支出を増加すると回答しています。中でも、天津、重慶、杭州、西安では、60%以上支出を増加させると回答しています。

衣服の購買習慣として、中国の消費者のほぼ70パーセントは、少なくとも月に一度は店舗を訪問する傾向が見られます。
ショッピング時間は、主に週末と祝日です。

百貨店は、最も人気のあるショッピング場所ですが、その主な理由は、多種多様なブランドがあり、快適にショッピングできる環境が整っており、いろいろと薦めてくれるためです。

消費者は、衣服の販売チャネルや衣料品店の顧客サービスにほぼ満足しており、5段階評価ではほぼ全員が4をつけています。
割引を含むプロモーション、ディスプレイが、テレビやラジオのコマーシャルとともに、最も効果的なプロモーションチャネルです。

しかし、上海、北京、武漢、成都、広州では、購入に誘導するディスプレイや広告よりも、展示会が効果的であると回答しています。

全体的に、中国の消費者は、香港ブランドは、ファッショナブルで個性的、材料や品質も優れていると考えています。そのうち約20%は、将来的には、もっと香港ブランドの服を購入したいと回答しています。

中国の消費者は、同じような品質であれば、中国ブランドより香港ブランドを選択すると回答しています。調査対象都市の中で、その傾向が最も高かったのは杭州で、北京が最も低い結果となりました。

ほとんどの調査回答者は、新ブランドの受け入れに柔軟で、特に香港からの新ブランドを受け入れています。
したがって、香港ブランドは、この利点を活用し、自らのポジショニングとターゲット顧客を明確に定義することができるでしょう。
そうすることによって、市場の受容性を高め、品質に対する評判を確立するとともに、ブランディングすることができます。

香港ブランドは、理想的には、ミッドレンジ市場をターゲットとし、香港スタイルによる新しい消費者文化を育成すべきでしょう。それは、ブランド名、デザイン、マネジメントを、中国の消費者のトレンドや好みに合わせていくということになります。

香港ブランドは、百貨店やチェーンストアのPOS情報から、情報分析が可能です。

プロモーション戦略に関しては、香港企業は割引キャンペーンに参加することによって、またはショッピングモールでプロモーションスタンドを設置することで、顧客を引き付けることができます。
これは、人気のあるテレビやラジオのコマーシャルと相まって、ブランドの浸透を高めるでしょう。

消費者は品質とサービスへの増加を重視したように、香港企業は、競争力のある価格と品質を維持することに加えて、販売力を強化するためにも、販売及びアフターサービスを強化する必要があります。

最新の調査では、無料の寸法直しサービスを提供すると、顧客満足度を上げることができることがわかっています。

消費者の習慣は、都市から都市へ、また異なる消費者グループからグループへと変わるので、香港企業は、正しいニーズをに即した正しい製品を提供できる、マーケティング戦略を策定する必要があります。


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