2012年8月23日木曜日

製造工場から、真のアパレルへ変革進む中国

香港貿易発展局が先日発表したレポート(“China’s industry upgrade and opportunities for Hong Kong expertise”)によると、中国のアパレル産業が、この数年で格段に力をつけてきている、とのことです。
http://www.hktdc.com/info/web/mi/article.htm?LANGUAGE=en&ARTICLE_ID=1X07XLIR&DATASOURCE=hkti

とくに、R&Dやマーケティング、プロダクト・マネジメントなどを導入し、より付加価値の高いビジネスを指向し始めています。

アパレル企業の多くは、生産だけではなく、ディストリビューションビジネス(ブランドの代理商)へ向かったり、自社ブランドを使っての小売ネットワークを中国内で形成したりしています。
そして生産はアウトソースしてきており、その比率が高まっています。

香港貿易発展局が昨年12月から今年3月にかけて、自社ブランドを持つ2000社に対して電話調査したところ、中国のアパレルメーカーは、ブランディングとアウトソーシング、その他関連サービスにシフトしていることがわかりました。


マスマーケット ポジショニング

調査によると、89%のアパレルメーカーが自社ブランドを開発していますが、インポートブランドとの競合もあるため、90%のアパレルメーカーは、自社ブランドを中流またはマスマーケットに向けています。
彼らのターゲットは、2級・3級都市であり、手ごわい強豪との差別化を図っています。

85%のアパレルメーカーは、自社運営のショップを持っており、37%はディストリビューター展開を行っています。
フランチャイズチェーンオペレーションやネットショッピングが拡大していることにともない、64%がフランチャイズ展開を行っており、56%はネット販売を行っています。



製造からブランドマーケティングへ

アパレル企業の売上は格段に成長しています。
たとえば、調査対象の34%は、年商1000万USドルを超えています。

ブランド開発のために、彼らは、製品研究やデザイン、マーケティングに関してより高い価値を付け加えようとしています。そして、自らは造らず、工場へとアウトソースしているのです。
38%の企業は、すでに完全に製造をアウトソースしており、9%がアウトソースを検討してます。

2010年からの5年間で、中国アパレルの輸出は年平均12.9%を占めるまでになりました。靴や帽子などを含めると21.4%にまで拡大しています。



プランニングとプロモーション

中国市場においては、ブランディングは明確は方向性を持たせる必要があります。
適切なポジショニング、デザイン、ブランドイメージがブランドビルディングに求められます。
パッケージ、店舗の雰囲気、広告デザインなどを、ターゲットの好みにあわせて考え、検討することもあります。

ほとんどの調査対象企業のうち、物流、流通·サービスは、広告やマーケティングに続いて最も人気のあるサービスです。

ブランド戦略は社内でハンドリングしていますが、外部の専門家にアドバイスを求める企業もあります。
なかでもコンセプトデザインや製品デザイン、店舗建築・施工などは外部に任せる傾向にあります。

中国アパレルメーカーのアップグレードは、外部リソースへの需要の高まりを示しており、これらマーケットの拡大が見込めます。

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