2012年7月4日水曜日

中国におけるラグジュアリーマーケットの動向

香港貿易発展局が発表した記事のなかに、中国のラグジュアリーマーケットに関する調査報告がありました。 How youth and luxury mix
以下、簡単ですが、概略を紹介します。

Roland Berger (ドイツの戦略コンサルタンシー)によると、中国のラグジュアリーマーケットは、今後10年から15年で、世界市場の40%を占めるまでになると予測しています。

同レポートでは、ラグジュアリーマーケットにおける中国人バイヤーは、他の国々のバイヤーよりも若いという特徴があります。これは、改革開放後に、富を得た世代が中心であることを示しています。

また、中国におけるラグジュアリーマーケットの消費者は、6つのグループに大別できます。

1.時代のリーダー --- 知恵と自己改善を支持する消費者
2.裕福な第二世代 --- 革新・自信・情熱になびく消費者
3.野心的なエリート --- 情熱をもちチャレンジし続ける消費者
4.投資のエース ---- スタイリッシュで豪華になりがちな消費者
5.スタイリッシュホワイトカラー --- トレンディな美しさ豪華さを好む消費者
6.ギフトバイヤー --- 賞賛と尊敬を切望する消費者

これらの消費者にとって、ブランド認知はラグジュアリーマーケットにおいて非常に重要です。

有名ブランドは、最初に「時代のリーダー」や「野心的なエリート」によって選択されますが、その周りには大勢の「ギフトバイヤー」が存在します。しかし彼らは、高級品についての知識がなく、自意識にも欠けます。

高級品の購入者は、馴染みのないブランドはめったに買いません。
彼らは、十分に検討して購入を決める傾向が高く、衝動買いは稀です。つまり、購入過程の第一段階では、トップブランドといえども、消費者による厳しい選択にさらされています。

中国の消費者は、「自分には似合わない」という理由で買わないということはありませんが、「今まで聞いたことのないブランドだわ」という理由で買わないのです。

ですから、中国市場は、長い歴史と高い認識率を持つブランドを購入する傾向にあります。

また「裕福な第二世代」の台頭によって、「野心的なエリート」と「スタイリッシュホワイトカラー」たちは、コンセプトを探し、より個性的でユニークな製品を見つけるようになってきています。

高級ブランド企業は、事業戦略の指標として"ブランド大使"を探すべきです。高級品消費者の14%を占めているアクティブな "情報探索者"は、そのブランドの認知をを促進するための先駆者であるためだからです。
これらの消費者は、「私はこのブランドをほとんど知らない」という理由ではなく「ブランドのスタイルとコンセプトが自分に合わない」理由で、購入しない人々です。

雑誌やインターネットによる広告・PRは、人々の認識を得るために不可欠と見られています。
しかし、より重要なことは、ブランドと消費者との関係性を強化することです。

多くの中国人は、国内のブランド店はサンプルを見る場所、買い物は海外でが習慣となっています。そのため、高級ブランドも、抜け目のない顧客に対応するため、フレンドリーでプロフェッショナルなアドバイザリーサービスを提供する必要があります。

3級および4級クラスの都市における中国の巨大な人口は、高級品の売上高の約40%に寄与し、今後もその割合が増加すると予想されます。

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